遺留分とは
「遺留分」とは、一定の範囲の法定相続人に認められる、最低限相続することができる遺産の割合のことをいいます。遺言や贈与によって、法定相続人が一切遺産を相続することができないという事態を防ぐことで、法定相続人の利益を保護することが目的です。
■遺留分が認められている法定相続人とは?
遺留分は、被相続人の配偶者、子・孫・ひ孫などの直系卑属、父母・祖父母・曾祖父母などの直系尊属にのみ認められており、兄弟姉妹の法定相続人には認められていません。
■遺留分侵害額請求
遺留分が侵害された場合、何もしなくても当然に侵害額分を得ることができるわけではなく、「遺留分侵害額請求」をしなければなりません。
配偶者や子等は、特定の相続人が遺産のすべてを相続した等、遺留分を侵害された場合には、その侵害した相続人について遺留分侵害額請求(民法1046条1項)を行うことができます。しかし、兄弟姉妹の相続人には遺留分が認められていないため、例えば被相続人の愛人が遺言により遺産のすべてを相続した場合であっても、遺留分侵害額請求をすることはできず、相続することができないということになります。
遺留分侵害額請求の期限は、遺留分権者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年以内です。
■遺留分の割合
遺留分権者が、遺留分として請求することができる割合は以下になります。
・相続人が配偶者のみの場合・・・配偶者:法定相続分(100%)×2分の1
・相続人が配偶者と子ども1人の場合・・・配偶者:法定相続分(2分の1)×2分の1=4分の1、子ども:法定相続分(2分の1)×2分の1=4分の1
・相続人が配偶者と子ども2人の場合・・・配偶者:法定相続分(2分の1)×2分の1=4分の1、子ども:法定相続分(4分の1)×2分の1=8分の1
・相続人が配偶者と被相続人の父母・・・配偶者:法定相続分(3分の2)×2分の1=3分の1、父:法定相続分(6分の1)×2分の1=12分の1、母:法定相続分(6分の1)×2分の1=12分の1
・相続人が配偶者と兄弟姉妹である場合・・・配偶者:法定相続分(4分の3)→2分の1(兄弟姉妹に遺留分が認められないため)
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